新しい世界へ 君と手を繋いで
歳を重ねるにあたって、自分でライブハウスという場所を選びました。
大人になったもんですなあ。偉くなったもんですなあ。人生で最初で最後かもしれないから許してくれ。余生に乞うご期待。
めちゃくちゃ好きになった、ircleのツーマンへ。長尺の機会があんまりないのと、なによりカゲロウと夏をその日に聴きたくて。青春18切符って便利です。ふらっと出かけてくるってノリで気楽に東京に行けるんだから。
いってよかったー。最高の夜でした。
はじめは、現実味がなさすぎてポカンとしてたんだけど。ステージに現れるメンバー見て、おお、本当にライブ見に来たのね、なんて今更思うかそんなことみたいな感想を。バンドが変われば気持ちも変わるもんです。
現実味が生まれてきたのは、数曲やったあたり。風の中で君を見たんだの前に「生き急いだっていいだろ!」って河内さんが言ってて思わず頷く。GOはあんまりやらないみたいで、聴けてよかったと思ったわたしの感覚は正しいようだった。
嘘つき少年より からの流れが、まあ、すごくて。あんなMCはずるいよなあ。一瞬で終わるつもりなんてなかったのに、振り返ったら一瞬の恋だったって。あの歌詞で言うの。わたしはあの歌を聴くたびに、愛かどうかを決めるのは受け取った方の勝手だから、そんな風に歌ってくれるなよって思ってる。というか、腫れ物に触ってくれたんなら、それもう愛だろ。そこから、アルバムと同じ流れでカゲロウと夏。あーーー「上空へ去っていく」で上を指差す河内さん見れて感無量です!「神様にも渡すもんかと 手を繋いだな 覚えてるか」の歌詞の威力は本物。あと、サビでドラムのリズムを刻む感じが好き。おかげさまでわたしの夏は終わりました。ありがとうございます。
新曲、光の向こうへは、聴くのは実は二度目なんだけど、改めて聴いてめちゃくちゃいい曲だなって思った。連れて行ってくれるというか、呼ばれたり引っ張ってくれたりしちゃう曲に弱い。他力本願ですまん。
確かにシンガロングしたい曲だ。そういうのガラじゃないなんて言わなくてもいいじゃん。「分かんなくても大丈夫だよ」って言ってくれたの、優しかったけど、遠慮すんなよおい!って思った(笑)いつか、ワンマンで、この曲やって、みんな自然と手も声も上がって、それはしあわせな景色になるんでしょう。
「まだ夢の途中なんだよ!」って始まるセブンティーン。くる!って思った時の高揚感たるや。本当にめっちゃ好き。最後の曲は、まさかのサーチライトで。流れが完璧すぎて泣きました。歌い方も、ちょっと縋るような話しかけるみたいな声で「あなたの何かになりたいの 私がなりたいの」って。サーチライトは歌詞を始めて読んだ時、どうしたもんかなあ 困ったなあ と それこそ本当の事と同じくらい 途方に暮れてしまって。同じ理由できみが セ をいつか聴きたい。
アンコールは、優だったんだけど、対バン発表の衝撃がすごすぎて、あんまり記憶になくてもったいなかった。いや、本当に、もったいなかった!「大丈夫」の歌い方が、あったかくて、うーん、想像しているより温度があって、この人に大丈夫って言われたらぜんぶ大丈夫かな、なんて思った。
うん、本当に最高の夜だった。
ムロフェスの時は、闘志に燃えるライブだったけど、やってやんぜ 刺される前に刺すぜくらいの勢いだったけど。対バンにもよるのか、この日はすっごくホーム感あった。あと、メンバーみんなそんな笑顔で演る!?ってくらい笑顔なの、見てるこっちがしあわせになる。
バンドマンとファンを「愛しい他人」という関係って、まさにそれって話。直接的にはなにもしてくれない、まさに他人に、勝手に救われて勝手に励まされて、心底好きになって。でも、そんな傍迷惑な他人がいないと、相手もなにも出来ないのは確かで。単純なのに、ややこしい関係。
他人だけどさ、どうか笑顔で毎日を過ごしてくれたらなって思うんだ。いや、他人だからか、そう思えるんだ。そのくらいの距離感が丁度いいと思う。ちょっと近いかな。まあ、いいか。
ライブハウスは、相変わらず夢が詰まってる。だから、現実に戻るには、いつもちょっと時間がかかる。 ……電車に揺られるの、そろそろ飽きました(笑)