青の味方

ゆるゆる遠征芸人のこじらせた思考回路

神様にも渡すもんか

 

大好きなバンドが、いる。

 

わたしが初めてそのバンドと出会ったのは、YouTubeだった。ライブでこの曲を聴いてみたいと思った。すぐさまスケジュールを確認して、予定のついでに行けるライブを見つけて、行くことにした。

 

それまでにライブに行ったことはあったけど、ライブハウス、つまりハコでのライブ初めてで、(厳密に言うと初めてではないのだけど)さすがに150キャパは初めてで、緊張しながら向かった覚えがある。

 

その日の夜は、かっこよさにあてられてとんでもないものを見てしまったと思った。また見たいとも思った。次はいつ行けるか、すぐにスケジュールを確認した。

そこから月1で行くようになり、月2になり、近場から離れ、遠征も始め、気づけば毎週のようにライブに行った。もちろんそのバンドだけではなくて、他のバンドのライブも行った。でも、圧倒的にそのバンドが多かった。

好きな人、というと、なんだか大袈裟なのだけど、バンドの中でも好きなメンバーがいた。ある曲を聴いて、なんてかっこいいんだろう、と思ったら最後だった。どうにもこうにも歌詞をかくひとによわい。わたしにとっては、そのバンドの世界観をつくる中心人物だから。(だから、以前までは世界観そのものであるギターボーカルばかりが好きだった。一般的!)

 

あとは、なにをどうこじらせたのかは覚えていない。でも、とにかく好きだった。ライブの間だけ、目の前のことだけ想っていればいい時間だったから。

そうして、ライブに行ければしあわせだったはずなのに、いつの間にか行けるライブを探すことが刷り込まれた。場所は問わなくなった。チケットの買い方も覚えた。一緒にライブを楽しめるようなひとともたくさん出会えた。ライブだけじゃなくて、前後の楽しみ方も好き勝手にできるようになってしまった。……人間関係を築くの下手くそになったろうなと思う。スケジュールや金銭面で危なっかしいことも、数える程度にはあったけど、もちろん行けば必ず満たされたから、やめられなくなった。

 

ニ年が経った。

同じくらい好きなバンドがまだいなかったから、予定はすべてそのバンドを優先していた。でも、変化があったのは、もちろんそのバンドを見に行ったフェスからだった。

改めていろんなバンドを見たときに、わたし、ちゃんと好きなバンド、他にもあるんだって、やっと思えた。

ワンマンも行ったことあるバンド、そうだよね、しあわせな空間だったのちゃんと覚えてる。今度そのバンドと対バンするバンド、知らなかったけど好きなバンドが好きなバンドだ、間違いはない。周りの人から教えてもらって音源だけ聴いて気になってたバンド、ちゃんと長尺で見てみたいな。

 

それだけじゃないけど、それだけで、そこからはストンとなにかが抜けたように落ち着いて。チケット押さえすぎたスケジュール帳を見て、笑ってる。でも、笑っちゃうほど、いま、楽だ。

好きな気持ちにもう縛られてなくて。身軽だと身動き取れるんだって、当たり前のことを実感してる。よかった。

 

つまり。

あーもう、なんの話かわかんないから、おわり。